派遣を辞めたいけれど、契約が残っている。担当者に言い出しにくい。まず何を確認すればよいのか迷いますよね。
男性契約が残っているけれど、もう辞めたい。担当者には何から話せばいい?



まずは雇用契約の期間を確認しましょう。「途中・満了・無期」で、進め方が変わります。
最初にすることは、自分と派遣会社が結んだ雇用契約の期間を確認することです。退職の連絡先は、雇用主である派遣会社になります。
契約の途中で辞める場合、満了で更新しない場合、無期雇用の派遣会社を退職する場合では、必要な確認が違います。 「派遣だから必ず1か月前」「2週間前に言えば誰でも辞められる」とまとめず、自分の契約に当てはめて考えましょう。
僕は派遣でコールセンターを渡り歩き、5社とも辞めるときは1か月前に自分で伝えました。これは僕の経験で、全員に法律上の1か月予告が必要という意味ではありません。
この記事では、契約別の辞め方、担当者へのメール例文、引き止められたときの相談先、辞めた後のお金を順に整理します。
※法律・雇用保険の説明は、2026年10月2日の調査資料を基に、10月3日に主要な公式情報を再確認しています。個別の退職可否や給付の扱いは、契約と実際の事情によって変わります。
派遣を辞めたいとき、最初に確認する雇用契約


契約書を見ながら、まず次のどれに当たるかを確認してください。
| 自分の状況 | 最初に確認すること | 派遣会社に伝える内容 |
|---|---|---|
| 有期契約の途中で辞めたい | 満了日、途中退職の条項、継続が難しい事情 | 希望する退職日と、終了日の相談 |
| 契約満了で更新したくない | 更新条項、申出手続き、次の契約への同意状況 | 次の契約を更新しない意思 |
| 無期雇用の派遣会社を辞めたい | 期間の定めがないこと、退職手続き | 退職の申入れと希望日 |
| 今の派遣先だけを変えたい | 派遣会社との雇用を続けるか | 配置・別案件の相談 |
それぞれの詳しい進め方は、この後で説明します。
派遣先の仕事を終えることと、派遣会社を退職すること
派遣では、働く場所と雇い主が分かれています。
- 自分と派遣会社の間にあるのが雇用契約
- 派遣会社と派遣先の間にあるのが労働者派遣契約
- 日々の仕事の指示は派遣先から受ける
派遣先での勤務が終わっても、派遣会社との雇用が続く場合があります。特に無期雇用派遣は、「今の派遣先を離れたい」と「派遣会社を退職したい」を分けて伝えてください。厚生労働省と東京労働局も、派遣契約の終了がそのまま雇用契約の終了になるわけではないと説明しています。
出典:厚生労働省 労働者派遣事業、東京労働局 派遣社員として働く方へのQ&A
契約書で見るのは、この5項目
雇用契約書や労働条件通知書を手元に出し、次の項目を確認します。
- 雇用主になっている派遣会社の名前
- 期間の定めの有無と、契約開始日・満了日
- 更新の有無、判断基準、更新の上限
- 退職の申出先と、会社が定める手続き
- 有給休暇の残日数と、貸与品・退職時の書類
更新の上限は、回数や通算期間の形で書かれていることがあります。2024年4月からは、労働条件を明示するときのルールも追加されています。書類が見当たらない場合は、担当者に再交付や確認を頼むところから始めましょう。
契約期間中に辞めたいときの進め方


まずは派遣会社と終了日を相談する
有期の雇用契約でも、派遣会社と本人が終了日に合意すれば、その日で契約を終えることができます。まずは「いつまでなら働けるか」「なぜ継続が難しいか」を整理して相談しましょう。
「契約が残っているので絶対に相談できない」と考える必要はありません。一方、担当者にメールを送っただけで、希望した退職日が自動的に決まるとも限りません。
現在の契約満了日、途中で辞めたい事情、希望する退職日を伝え、会社の返答を文面で残します。退職日と最終出勤日、有給を使う期間は別々に確かめてください。
合意がない途中解除は、個別の事情で判断される
有期契約を一方的に途中で解除する場合、民法628条には「やむを得ない事由」のルールがあります。体調や家庭の事情が関係していても、理由の名前だけで全員が該当するとは決まりません。
たとえば体調を崩しているなら、続けられない仕事の内容や医師に相談した状況など、事実を整理します。家族の介護なら、必要な介護の状況やほかに対応できる人がいるかなども個別の判断材料になります。
会社と見解が分かれたときは、雇用契約書と連絡記録を持って公的な窓口や弁護士に相談してください。この記事だけで即日退職できると判断するのは避けましょう。
1年を超える契約の特例と、労働条件が違う場合
労働基準法137条には、1年を超える期間の労働契約について、契約期間の初日から1年を経過した後は、使用者に申し出て退職できる特例があります。
ただし、一定の事業の完了までを期間とする契約や、法で定める高度な専門的知識等を持ち、その知識等を必要とする業務に就く人・満60歳以上の人の契約などは、この特例の対象外です。3か月契約を更新して合計1年以上働いたというだけで、同じ特例を使えるとは限りません。
また、労働契約を結ぶときに明示された条件と実際が違う場合は、労働基準法15条2項による即時解除が問題になることがあります。「求人広告に書かれた印象と違った」だけで決めつけず、労働条件通知書と実際の賃金・時間・業務を並べて確認してください。
出典:労働基準法137条、労働基準法15条、厚生労働省 労働基準法FAQ
契約満了・初回更新で辞めたいときの確認事項





初回の更新でも、続けないと伝えていいの?



まず契約満了日と更新条項を確認します。次の契約にすでに同意したかどうかも、分けて考えましょう。
更新しない意思は、満了前に派遣会社へ伝える
今の契約期間は働けるけれど、その先は続けない場合は、満了日と更新の条項を確認して、派遣会社に「次の契約は更新しない」と伝えます。
法律で全員に一律の「満了の1か月前」という期限が定められているわけではありません。契約書や就業規則の申出手続きを読み、更新確認の連絡を待ち続けず、意思が決まった時点で担当者へ確認しましょう。
僕は1か月前に伝えましたが、それは自分の経験です。自分の申出時期は、契約書の手続きと事情に合わせて確認してください。退職日や引き継ぎを調整するためにも、意思が決まったら派遣会社に連絡しましょう。体調の問題があるなら、この目安を優先して無理に出勤し続ける必要はありません。
会社が労働者を雇止めするときの予告のルールと、本人が更新しないときの申出を混同しないことも大切です。
初回更新でも、契約内容を確認する
初回更新でも、確認する順番は同じです。「初回だから必ず更新しなければならない」とは決まりません。
ただし、「更新することがある」「自動更新」など、契約上の取り決めは読んでください。すでに次の契約へ同意した後に、開始日を待たず辞めたい場合は、単に更新しないという話とは事情が違います。次の契約が成立しているかも含めて相談しましょう。
伝えるときは、今の派遣先だけを終えて別の案件を探したいのか、派遣会社との雇用自体を終えたいのかもはっきりさせます。
無期雇用派遣を辞めたいときの退職申入れ


雇用契約に期間の定めがない場合は、民法627条1項に基づき、退職の申入れから原則2週間で雇用が終了するというのが基本です。
派遣先の案件が数か月単位だからといって、自分の雇用も有期とは限りません。雇用契約の「期間の定めなし」を確認しましょう。
就業規則に退職手続きがある場合は、まずその内容を確認します。早めに申し出て調整できれば、引き継ぎや貸与品の返却も進めやすくなります。ただ、期間の定めのない契約について、会社の許可がなければいつまでも辞められないという説明は、厚生労働省の解説と一致しません。
「今の派遣先が合わないので配置を相談したい」場合には、退職の意思表示をする前に、その希望を分けて伝えてください。一度出した退職の意思表示は、自由に撤回できるとは限りません。
派遣会社への伝え方とメール例文


担当者に連絡し、話した内容を残す
退職の相談や申入れは、雇用主である派遣会社の担当者へ。担当者につながらないなら、その会社の支店や相談窓口へ連絡します。
派遣先で緊急に休むときは、職場の欠勤連絡の決まりにも従ってください。派遣会社に退職を相談したことと、当日の欠勤連絡を済ませたことは別です。
電話で話した後は、話した日、相手、希望した終了日、会社の返答をメモし、メールで認識を確かめると行き違いを減らせます。
契約満了で更新しないとき
件名:雇用契約の更新について
〇〇様
〇〇で就業している△△です。
現在の雇用契約は〇月〇日までと認識しています。次の契約は更新せず、現在の契約満了をもって退職する意向です。
必要な手続き、最終出勤日と貸与品の返却方法について教えてください。
別の派遣先への紹介を希望する場合は、この例文の「退職する意向です」を使わず、「現在の派遣先での就業は満了で終了し、別の案件をご相談したいです」と目的を伝えます。
契約期間の途中で終了日を相談するとき
件名:就業継続と雇用契約についての相談
〇〇様
〇〇で就業している△△です。
現在の雇用契約の満了日は〇月〇日ですが、〇〇の事情により、継続が難しい状況です。
〇月〇日で雇用契約を終了することについて相談したく、ご連絡しました。
退職日と、そこまでの勤務・休暇の扱いについて確認できる時間をいただけますか。
これは終了日の合意を求める例文です。法定の解除権を使うための書面が必要な状況なら、個別に助言を受けて文面を決めてください。
無期雇用派遣で退職の意思を伝えるとき
件名:退職の申入れ
〇〇様
△△です。一身上の都合により、〇月〇日を退職日として退職を申し入れます。
最終出勤日、有給休暇の残日数、貸与品の返却と退職時の書類について確認させてください。
退職日には必要な予告期間を見込みます。送信しただけで相手への到達が確認できていない場合は、受領の連絡を求めましょう。口頭・メール・所定書式の扱いが争われるときも、相談窓口で確認してください。
引き止めや損害賠償を言われたときの相談先


「次の人が決まるまで」と言われたら
「後任がいない」「繁忙期だから待ってほしい」と言われたら、会社の調整の希望なのか、契約のルールの説明なのかを分けて聞きます。
有期の途中退職なら、合意できる終了日や、やむを得ない事情の判断が問題になります。無期なら、会社の都合だけで退職がいつまでも成立しないとは限りません。
返答例は、「希望日は〇月〇日です。現在の雇用契約のどの条項に基づくお話か、書面で確認させてください」。自分が合意していない退職日や費用に、その場で同意する必要はありません。
「途中で辞めたら罰金」と言われたら
労働基準法16条は、労働契約に違反した場合の違約金や損害賠償額を、あらかじめ決める契約を禁止しています。
ただし、実際に生じた損害についての請求まで、すべて禁止する規定ではありません。「絶対に請求されない」とも「言われた金額を必ず払う」とも決めつけないでください。
請求されたら、根拠・金額・内訳を保存し、支払いの同意や署名をする前に、総合労働相談コーナーや弁護士へ相談します。
困っている内容に合わせて相談先を選ぶ
- 退職や引き止めを含む職場のトラブル:総合労働相談コーナー
- 派遣就業・待遇など派遣制度の問題:都道府県労働局の需給調整事業担当
- 賃金不払いなど労働基準法違反の疑い:労働基準監督署
- 離職票の理由や失業給付:ハローワーク
- 契約解除や損害賠償の代理交渉:弁護士など適法に対応できる専門家
総合労働相談コーナーは無料で、予約不要の窓口です。適切な担当部署への案内も受けられます。
出典:厚生労働省 総合労働相談コーナー、厚生労働省 相談窓口一覧
退職代行を考える場合は、料金だけでなく、誰が何をしてくれるかを確認してください。契約期間中の解除や未払い賃金などは法律問題になり得ます。「労働組合と提携」「弁護士監修」という表示だけで、自分の問題の交渉まで依頼できると判断しないことが大切です。
辞める前の手続きと失業給付の確認





契約満了なら、失業給付はすぐにもらえる?



満了というだけでは決まりません。離職理由・加入期間・働ける状態をハローワークで確認してください。
最終出勤日・有給・貸与品・受け取る書類
退職日が決まったら、派遣会社と次の項目を確かめます。
- 退職日と最終出勤日、残っている有給の申請日
- 入館証、パソコンなどの返却先・返却期限
- 最後の給与の支払日と明細
- 離職票、源泉徴収票など必要な書類の発行・受け取り方法
- 健康保険や年金の次の加入先に必要な書類
年次有給休暇は退職日をもって権利が消滅します。残っている日数を退職前に使いたい場合は、日付を示して申請してください。残日数が多くても、退職日までの所定労働日が足りなければ、すべて消化できるとは限りません。
出典:厚生労働省 年次有給休暇
退職証明書は離職票とは別の書類です。必要な事項について請求できます。最後の賃金についても、退職後に請求があった場合の支払期限が法で定められています。不払いがあるときは給与明細や勤務記録を持って相談してください。
出典:労働基準法22条 23条
契約満了でも、失業給付がすぐ出るとは限らない
退職できるかという問題と、雇用保険でどの離職理由になるかは別です。
この節では主に、65歳未満で離職した一般被保険者の基本手当を説明します。65歳以上で離職した高年齢被保険者には、条件を満たす場合に高年齢求職者給付金があり、以下の基本手当の受給期間延長制度は適用されません。
出典:ハローワーク 基本手当と高年齢求職者給付金、厚生労働省 基本手当のQ&A
基本手当には、求職申込みなどの手続き後、離職理由にかかわらず、失業している日が通算7日になるまでの待期があります。正当な理由のない自己都合離職は、2025年4月1日以降の離職では原則1か月の給付制限が加わります。過去の受給資格決定などによって3か月になる場合もあります。
待期や給付制限が終わる日と、口座への入金日は別です。失業認定と支給の予定をハローワークで確認し、すぐに入金される前提で生活費を見積もらないようにしてください。
契約満了の場合も、更新を希望したか、派遣会社から次の就業の指示があったか、それを断った事情などで扱いが分かれます。「3年未満」「満了」といった一つの条件だけでは、給付制限の有無を決められません。
離職票の内容が実際と違うときは、契約書、更新の確認メール、紹介された仕事の条件、相談の記録を持ってハローワークで事情を説明してください。最終的な判定はハローワークが行います。
出典:厚生労働省 基本手当のQ&A、ハローワーク 特定受給資格者 特定理由離職者、厚生労働省 雇用保険業務取扱要領 適用関係
すぐ働けないときは、給付の前提も相談する
基本手当は、働く意思と能力があり、求職していることに加え、原則として離職前2年間に被保険者期間が通算12か月以上あることも必要です。特定受給資格者・特定理由離職者は、離職前1年間に通算6か月以上ある場合でも対象となります。被保険者期間は単純な在職月数とは違うため、短い契約を含む加入歴もハローワークで確認してください。
病気などですぐ働けない場合は、働けない期間や受給手続きの状況をハローワークに伝えて相談します。一般被保険者の基本手当では、病気・けがなどで引き続き30日以上働けないとき、受給期間の延長を申請できる場合があります。受給手続き後に働けなくなった場合には、雇用保険の傷病手当など別の扱いもあります。健康保険の傷病手当金とは別の制度なので、自己判断せず確認してください。
満了まで我慢した方が必ず得だと決めるより、現在の体調と契約、利用できる制度を分けて確認しましょう。
出典:ハローワーク 基本手当の受給要件と受給期間、厚生労働省 基本手当のQ&A
コールセンターの負担や、辞めた後の働き方も考えたい場合は、コールセンターを辞めたいときの経験談と手続きも参考にしてください。雇用保険の個別判断は、この記事で挙げた公式窓口で確認してください。
派遣を辞めたいときのよくある質問


入ったばかりでも相談してよいですか
相談できます。初日や研修中でも、まず雇用契約の期間を確認します。短期間だから退職のルールがなくなるわけではありません。体調の問題がある場合は、出勤できないことの連絡と、今後の契約の相談を分けて進めてください。
2週間前に言えば派遣も辞められますか
期間の定めがない雇用契約なら、原則2週間という基本ルールがあります。有期の契約期間中は同じ説明をそのまま使えません。合意による終了、やむを得ない事由、法定の特例などを確認します。
更新しない理由は細かく話す必要がありますか
必要な事情を簡潔に伝えると、担当者も状況を整理しやすくなります。ただし、有期の途中解除で特別な事情を主張する場合や、雇用保険の離職理由が関わる場合は、「一身上の都合」だけでは実際の事情が伝わらないことがあります。嘘を作らず、事実を残しましょう。
派遣先の上司に伝えれば退職できますか
雇用契約の相手は派遣会社なので、派遣会社にも連絡が必要です。欠勤・安全上の緊急連絡など、派遣先へ連絡すべき事項まで後回しにするという意味ではありません。
退職代行を使えば即日で全部終わりますか
依頼しただけで契約のルールや法律問題がなくなるわけではありません。即日から出勤しないこと、雇用契約が終了する日、賃金や書類の手続きが完了する日は区別します。対応する人の資格と業務範囲、追加費用、返金条件を確認してください。
同じ派遣会社で次の仕事を探せますか
今の就業先を終えるだけなのか、派遣会社との雇用を終えるのかを担当者に伝えて確認します。紹介の可否は求人や条件などにもよるため、必ず次が見つかるとは約束できません。次の就業の指示を断る場合には、失業給付の離職理由にも関係するので、条件と断る事情を記録してください。
最初の連絡では、契約満了日と希望日を伝えよう
まず自分の雇用契約を確認し、今の派遣先だけを終えるのか、派遣会社を退職するのかを決めます。
有期の途中なら合意や法定の解除事由を、満了なら更新条項と意思確認を、無期なら退職の申入れと予告期間を確かめる。この順番で整理すると、担当者に何を聞くかがはっきりします。
揉めたときは、会社とのやり取りを残して無料の労働相談へ。雇用保険は満了かどうかだけで結論を出さず、ハローワークに実際の経緯を伝えてください。



